2015年3月15日　青弓社刊

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「現にフィルムに搦めとられた光跡や塵の山積のそれら粒が、たかだか希望の手がかりと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　本当の希望は簡単に触れない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　2009年頃の不安や確信や恐怖やらが、これらから透かし見えたら、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは何かしらの励みになってくれるだろうか。

The theme of these photographs is military weapons/armaments. They were taken during an actual target practice conducted by the Japanese Self Defence Forces. We possess weapons  and armaments because of our extreme weakness compared to other living creatures on Earth. One could say that the possession of these weapons ー which is their final destination ー is the most »human-like« activity on this planet. This is what I set out to record. Based on the premise that despair and doubt, and possibly hope, go against human existence including my own, I believe that my work constitutes a file on these activities. 

At a glance there is a beauty to this, the flash of light from the tank photographed here represents a »violence« embracing the collective illusions of a group. In other words, it is a repository of our own consciousness.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Kuroda Koichi

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　      　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  Camera Austria / Austria  80/2002

さも直接的な身振りをしていながら、とうてい核心には触れることができない写真というものの不自由さを改めて感じ入る。写真のいいところはそこか。

　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 club king「T shirts as media」2000

　　　　　　　　　　　　　　　玄関先の蜘蛛の巣を手ですくい、地面に落とす。

　　　　　　　　　　　　　　　背中を叩き、顔を締め、

　　　　　　　　　　　　　　　今日、人を叩く。

　　　　　　　　　　　　　　　これらの感触から漏れる安堵がなにものか

　　　　　　　　　　　　　　　知らない。

　　　　　　　　　　　　　　　暴力の輪郭をなぞり返してくれないか、

　　　　　　　　　　　　　　　そうすれば、

　　　　　　　　　　　　　　　この弱い動物の息遣いが透けてくるから。

　　　　　　　　　　　　　　　わたしは

　　　　　　　　　　　　　　　人を叩いたことなどないのだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Waste Land/荒地出版社  2000